独立系大手として知られるBMGとConcordが、水面下で合併交渉を進めている。その取引規模は最大70億ドル(日本円で約1兆円超)にも達すると報じられた。この巨額ディールが成立すれば、音楽業界に「第4のメジャーレーベル」が誕生するかもしれない。世界の音楽業界の勢力図を大きく変える可能性を秘めたこの動きを、舞台裏から深掘りする。
BMGとConcord、業界を揺るがす巨大ディールが浮上
世界最大級の独立系音楽企業であるBMGとConcordが、合併に向けた話し合いを進めていると報じられた。この潜在的な取引は、最大70億ドルの価値を持つ可能性があるとBloombergが伝えている。BMGはドイツのメディア大手Bertelsmannの音楽部門だ。一方のConcordも、2022年には50億ドル規模の買収提案を断った経緯がある。今回はその金額を大きく上回る交渉だ。
両社は現在、合意に向けた具体的な財務構造を詰めている段階にあるとされている。ただし、最終的に合意に至らない可能性もある。交渉はまだ最終段階ではないということだ。両社ともに報道に対してはコメントを拒否している。BMGは2021年以降、約14億ドルを投じて音楽著作権を積極的に買収してきた。2025年上半期だけでも17件のカタログディールを完了させている。その買収意欲は止まらない。
「第4のメジャー」誕生へ、独立系が巨大化する意味
今回の合併が実現すれば、音楽業界におけるその意義は非常に大きい。Universal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Groupの3大メジャーに次ぐ「第4のメジャー」として、新たな巨大プレイヤーが誕生するかもしれないからだ。これまで独立系の代表格とされてきた企業が、メジャー級の規模に成長する。これは音楽業界のパワーバランスを大きく変えることになるだろう。
報道によると、合併後の新会社のトップにはConcordの現CEOであるBob Valentineが就任する見込みだ。BMGの現CEOであるThomas Coesfeldは、2027年1月に親会社Bertelsmannの会長兼CEOに就任することが決まっている。Concordの筆頭株主は、ミシガン州公立学校教員年金基金だ。年金基金という安定した長期投資家の存在が、今回の巨額ディールを可能にしている背景にある。ただし、この規模の取引は米国、EU、英国など複数の地域で規制当局の審査に直面する可能性が高い。
合併が成立した場合、何が変わるか
最も影響を受けるのはパブリッシングビジネスだ。BMG+Concordの合算パブリッシング規模はWarnerを上回る可能性があり、BillboardはこれをWarner Chapellと「ほぼ同等か、わずかに上回る」と分析した。録音音楽ではスーパースターを欠くため「第4のメジャー」とは言いがたいが、カタログと権利管理の分野では即座に業界第3極となる。現時点では交渉中であり決裂の可能性も残る。BMG側は現金と株式の組み合わせを提示しているとされ、条件の詳細は非公開。BertelsmannのCEO交代スケジュールとも絡み、2026年後半に向けて交渉の動きが加速するとみられている。
参考URL: https://www.musicbusinessworldwide.com/bmg-in-talks-to-acquire-concord-report/

コメント