ElevenLabsがAI音楽アプリをリリース——SunoとUdioに第3の強豪が現れた

AI音声技術で知られるElevenLabsが、AI音楽生成アプリ「ElevenMusic」をiOS向けにリリースした。すでにSunoやUdioが先行するAI音楽市場に、評価額$11Bの巨人が本格参入した形だ。この動きは、同社が単なる音声AI企業から多角化を進める戦略を示す。音楽クリエイターにとって、この新たな動きが未来をどう変えるか探っていこう。

目次

ElevenLabsがAI音楽アプリ「ElevenMusic」をリリース

AI音声企業のElevenLabsは、iOS向けにAI音楽生成アプリ「ElevenMusic」をひっそりとリリースした。これはSunoやUdioといった主要プラットフォームと競合する狙いがある。アプリは数週間前からApp Storeに掲載され、4月1日に正式に公開されたものだ。このリリースは、ElevenLabsが音声モデル企業という枠を超えようとしている明確なサインである。

ElevenMusicは現在無料で利用でき、ユーザーは自然言語プロンプトを使って1日最大7曲を生成できる。曲の長さ、歌詞の有無、ライティングスタイルを調整する機能も備わっている。さらに、他のユーザーが作成した曲を発見し、テキストプロンプトでリミックスすることも可能だ。これらのリミックスも1日の生成制限にカウントされる。アプリ内にはライブステーション、プリセットアルバム、気分に応じたデイリーミックスなどが充実。SpotifyやApple Musicのようなトップチャート、トレンド、新リリースセクションも用意されている。月額$9.99、年額$95.90のProティアでは、月500トラックの生成、500GB超のストレージ、そして全スタイルと気分へのアクセスが提供される。

AIモデルのコモディティ化から脱却するElevenLabsの戦略

ElevenLabsがAI音楽市場に参入した背景には、AIオーディオモデルのコモディティ化への危機感がある。同社は、AIを活用して音楽を含む多様なメディアを生成するツール群を、成長戦略と事業防衛の手段と見なしている。彼らはすでに昨年8月、商用利用が可能な初の音楽生成モデルを発表していた。さらに今年初めには、トップ音楽プロデューサーと提携し、AIを活用したアルバムもリリースしている。

これに加え、広告生成、ボイスオーバー、翻訳、画像生成、ビデオ制作、音声クローン、サウンド作成など、多岐にわたるクリエイティブツールを次々と発表してきた。これは単なる音声AI企業ではなく、総合的なAIクリエイティブプラットフォームを目指すElevenLabsの戦略の一部である。ElevenMusicの新しい点は、単なる音楽生成ツールに留まらないことだ。既存の音楽ストリーミングサービスのような「発見」と「共有」の機能も重視している。ユーザーがコンテンツを生成し、消費し、リミックスする循環を生み出すことで、プラットフォームへの定着を狙う。彼らは音楽部門を成長させるための消費者マーケティング担当者も採用しており、将来的にはプラットフォームでの音楽制作に対し、ロイヤリティやインセンティブを提供する可能性も示唆している。

Suno・Udioとの差はどこにあるか

現時点でElevenMusicがSunoやUdioと最も異なる点は「発見・共有・リミックス」を軸にしたコミュニティ設計だ。SunoはDAW的な制作体験、Udioはプロンプトのシンプルさをウリにしてきたが、ElevenMusicはSpotifyライクなUIで「他者の生成曲を聴きリミックスする」体験を前面に出している。

著作権面でもElevenLabsは先手を打っている。MerlinやKobaltとのライセンス契約を2月の資金調達前から進めており、「合法ライセンス先行」という差別化を明確に打ち出す。SunoがWarner Musicとの訴訟を和解で乗り切ったばかりのタイミングでの参入は、市場の信頼獲得を狙った計算がある。

将来的にはプラットフォーム上の音楽生成にロイヤリティやインセンティブを提供する可能性も示唆されており、単なるツールを超えた収益化の仕組みが整えば、AI音楽市場のパワーバランスが変わる。

X(Twitter)での反応

ElevenLabs公式によるリリース告知:

開発者向けアカウントからの投稿。API提供の可能性も示唆している:


参考URL: https://techcrunch.com/2026/04/02/elevenlabs-releases-a-new-ai-powered-music-generation-app/


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