米国のライブエンターテイメント業界に激震が走っている。業界最大手のLive Nation Entertainmentとその子会社Ticketmasterが、市場を違法に独占していたと陪審で認定されたのだ。この歴史的な評決は、米国のみならず世界の音楽ビジネスのあり方を大きく変える可能性がある。これは、音楽で食っていこうとする私たちにとって見過ごせない動きだ。
米陪審、Live Nationの独占を認定
この歴史的な評決は、Music Business Worldwideが速報した。米連邦陪審は4月15日、Live Nation Entertainmentと子会社Ticketmasterが米国のチケット市場で違法な独占状態にあったと認定した。これはマンハッタン連邦裁判所での判決だ。当初、米司法省はLive Nationとの和解を発表していた。しかし、33州とコロンビア特別区の連合がこの和解を拒否し、訴訟を継続した結果が今回の評決である。
陪審はTicketmasterが主要コンサート会場の一次チケット市場、そしてLive Nationが大規模円形劇場市場において独占的地位を維持していたと結論付けた。カリフォルニア州司法長官のRob Bontaは、Live Nationが2020年5月から2024年にかけて消費者にチケット料金を過剰請求していたとも指摘している。具体的には、22州とDCの主要会場で販売された一次チケットで1枚あたり$1.72の過剰請求があったと認定した。この判決を受け、Live Nationの株価は一時6.3%下落した。しかしLive Nationは評決を不服とし、上訴する構えを見せている。
州政府が司法省の和解案を拒否した背景
この評決の背景には、州政府の強い意思がある。米司法省は2024年3月にLive Nationとの和解を発表した。しかし、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官をはじめとする27州とDCは、この和解案が「独占問題にまったく対処していない」と批判したのだ。彼らは和解を拒否し、さらに6州が加わって訴訟を継続した。
州側の弁護士ジェフリー・ケスラーは、Live Nationが主要コンサート会場のチケット市場の86%を支配していると主張した。これは単に「規模が大きい」というレベルではない。陪審はTicketmasterの「排他的行為」とLive Nationの「独占」を違法と判断した。Live Nation側は、成功はサービスの質によるもので、違法行為ではないと反論していた。しかし、今回の評決は、その主張が受け入れられなかったことを示す。この動きは、巨大企業による市場支配に対する強い警告であり、司法省の動きを州が覆したという点でも非常に異例だ。
X(Twitter)での反応
今回の判決に対し、Redditや業界メディアでは「長年の不公平がついに是正される」といった声が多く上がっている。一方で、Live Nationが上訴する構えを見せていることから、今後の展開には依然として不透明感が残るという冷静な見方もある。
米国の「解体」が日本の音楽市場に与える影響
今後の焦点は、米連邦地方裁判所判事のArun Subramanianがどのような救済措置を命じるかだ。州側はLive NationとTicketmasterの「解体」を求めている。しかし、事業慣行の制限に留まる可能性も指摘されている。いずれにせよ、この判決は米国のライブエンターテイメント市場に大きな変革をもたらすだろう。Music Allyが「次に何が起こるか?」と題して報じているように、今後の展開が注目されている。
この動きは、日本のクリエイターや音楽ビジネスに関わる私たちにとっても無関係ではない。もし米国で独占的地位が解体されれば、アーティストやファンにとっての選択肢が増え、より健全な競争が促進される可能性がある。チケット販売の手数料構造や、会場ブッキングの透明性に対する議論も活発化するだろう。D2C(Direct to Consumer)の重要性が一層高まることは間違いない。プラットフォームに依存しすぎず、アーティストが直接ファンと繋がり、収益を得るための手段を確立しておくことが、今後ますます重要になるはずだ。
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