GoogleがLyria 3 Proを公開──「イントロ→サビ→アウトロ」を指定して3分の曲を作る時代が来た

GoogleがLyria 3 Proを3月25日に発表した。最大3分間のフル楽曲を、イントロ・ヴァース・コーラス・ブリッジ・アウトロという構造を指定して生成できる。前世代のLyria 3が30秒ループだったことを考えると、ひと世代分の跳躍だ。

目次

何が変わったか──構造指定で「曲のかたち」をAIが理解する

Lyria 3 Proの核心は「楽曲構造を自然言語で指定できる」点にある。プロンプトに「イントロ8小節、ヴァース16小節、コーラスに向けてビルドアップ」と書けば、AIがその設計に沿ってトラックを組み立てる。

配信先も複数に分かれている。

Geminiアプリ(有料サブスクライバー向け)

Google Vids(動画制作ワークフロー統合)

ProducerAI(音楽制作ツール、Googleが昨年買収)

Vertex AI / Gemini API(法人・開発者向け)

すべての生成トラックにはSynthIDウォーターマークが埋め込まれ、AI生成であることが識別可能になる。特定アーティストのスタイル模倣は行わない設計だが、プロンプトにアーティスト名を指定すると「広いインスピレーション」として参照するという。

SunoやUdioとどう違うか

Suno v5.5(すでに3/30記事化)との対比が興味深い。Sunoが「一般ユーザーが日常的に使うAI作曲ツール」として深化しているのに対し、Lyria 3 ProはProducerAI・Vertex AI経由のプロ向けルートを整備している。「大衆向け」と「業界向け」に二層化が進んでいるのが2026年のAI音楽の構図だ。

構造指定の精度については評価が分かれているが、「30秒ループから3分フル楽曲へ」という量的変化が制作ワークフローに与えるインパクトは小さくない。

日本のミュージシャンへの示唆

デモ制作とアイデア出しの速度が変わる。頭の中にある「Bメロの前にブリッジを入れたい」という構成イメージを、今日から3分の楽曲として即座に具現化できる。

ただし、Lyria 3 ProはGemini有料プランとの連動が前提で、日本からProducerAI経由でアクセスするルートは現時点でまだ限定的だ。Vertex AI APIは開発者向けに開放されているため、プロダクション文脈での活用が先行するだろう。

AIが「楽曲の骨格を設計する」役割を担うようになったとき、クリエイターに残るのは「その骨格に何を乗せるか」という問いだ。Lyria 3 Proの登場は、その問いを今よりずっと具体的にする。


参考URL: https://techcrunch.com/2026/03/25/google-launches-lyria-3-pro-music-generation-model/


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