AI音楽の台頭は、音楽業界に新たな問題をもたらしている。音楽ストリーミングサービスDeezerは、AI音楽の再生数で最大85%が不正であると報告した。この状況を受け、主要レーベルはAI音楽のチャート資格に関する新ルールを提案している。AIの活用を考えるクリエイターにとって、無視できない変化が起きている。
DeezerがAI音楽の不正ストリームを指摘
ストリーミングサービスDeezerは、AI生成音楽の急増とそれに伴う不正行為の実態を明らかにした。2025年初頭には1日約1万曲だったAIトラックのアップロード数が、同年11月には1日5万曲に急増。現在では毎日6万曲以上が追加され、全アップロードの39%を占めている。2025年全体では1340万曲以上のAIトラックが検出された。
これらのAIトラックはDeezer全体のストリームの1〜3%を占めているが、そのうち最大85%が不正なものだと報告された。不正ストリームとは、ボットを使って再生数を水増しし、ロイヤリティを不当に搾取する行為だ。Deezerはこの問題に対し、AI生成トラックをレコメンドやプレイリストから外し、不正ストリームからの収益化を停止する対策を講じている。Musically.comによると、Deezerはこの検出ツールを他のサービスや音楽企業にも公開している。
AI音楽の供給過多と不正ストリームの仕組み
AI技術の進化により、音楽制作のハードルは劇的に下がった。誰でも簡単に楽曲を生成し、ストリーミングサービスにアップロードできるようになったことが、AI音楽の爆発的な増加につながっている。しかし、この手軽さが、不正な収益を得ようとする動きを加速させている。
不正ストリームの仕組みは単純だ。ボットを利用して特定のAI生成楽曲を大量に再生させ、その再生数に応じて発生する少額のロイヤリティを積み重ねる。現在のロイヤリティ分配モデルは、このような大量生産されるAI音楽と不正行為に対して脆弱であり、正当なクリエイターへの分配を圧迫する要因となっている。業界では、既存のチャートシステムや収益化モデルが、急速に変化するAI音楽の現状に対応しきれていないことが浮き彫りになった。
日本のクリエイターへの示唆
Los Angeles Timesが報じたように、主要レコードレーベルがAI音楽のチャート資格ルールを提案している事実は、業界の潮目が変わることを示している。これは、今後AI音楽の扱いが明確化され、不正行為への取り締まりが強化されることを意味する。
日本のクリエイターは、この変化にどう対応すべきか。
新しい時代において、AIをいかに賢く活用し、自身のクリエイティブを際立たせるかが、これからの稼ぎ方を左右するだろう。
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