世界の音楽業界を揺るがせたUMGとTikTokの対立に終止符が打たれた。両社は複数年のグローバルライセンス契約を再締結した。今回の和解は、AI生成音楽に対する保護強化を柱としている。この動きは、日本のクリエイターにどのような影響をもたらすのか。その背景と具体的な示唆を解説する。
UMGとTikTokがAI保護強化で再契約
Universal Music Group(UMG)とTikTokは、複数年のグローバルライセンス契約を新たに締結した。この契約は、UMGの広範な録音楽曲と出版カタログへのTikTokからのアクセスを継続するものである。さらに、UMGのアーティストとソングライターには、TikTok上でのマーケティング、広告キャンペーン、Eコマース、その他のアーティスト中心のツールへの機会が拡大される。
今回の合意は、2024年5月に両社が結んだ「多次元的パートナーシップ」をさらに発展させるものだ。UMGは2024年1月、ByteDance傘下のTikTokとの契約更新を見送り、楽曲をプラットフォームから引き上げていた。当時のUMGは、アーティストやソングライターへの公正な報酬、AIからの保護、そしてユーザーのオンライン安全性を「3つの重要課題」として挙げていた。
クリエイター保護を推進するAI対策
今回の契約の最も注目すべき点は、AI生成音楽に対する保護の強化である。TikTokとUMGは、未承認のAI生成音楽をプラットフォームから削除するため、連携して取り組むことを発表した。加えて、アーティストやソングライターの適切な帰属表示の改善にも注力する。これは、クリエイターの作品を不正利用から守る「画期的なコミットメント」であると両社は説明している。
TikTokはこれまでも、プラットフォーム上のAI操作されたオーディオへの対策を強化してきた。例えば、同社のディストリビューションサービスであるSoundOnは、今年初めにACRCloudの新しい検出技術を導入している。UMGも、SpotifyとのAIを活用したカバーやリミックスの契約など、過去1年間で複数のAI関連提携を進めている。
日本のクリエイターが手にする新しい武器
UMG楽曲がTikTokで再び利用可能になることは、日本のクリエイターにとって大きなビジネスチャンスである。世界最大のプラットフォームで、UMGという大手レーベルの楽曲を使ったプロモーションやコンテンツ制作が可能になる。これは楽曲発見の機会を広げ、新たなファン層を獲得する強力な武器となるだろう。この動きは、様々な業界メディアやプレスリリースで広く報じられており、音楽業界全体の関心の高さを示している。
特にAI保護の強化は、クリエイターが安心して新しい技術を活用できる環境を整える。不正利用のリスクが軽減されることで、より自由に表現の幅を広げられる。TikTokが提供する「アーティスト中心のツール」は、D2C(Direct to Consumer)戦略を強化し、直接的な収益機会を創出する可能性も秘めている。IP(知的財産)保護と新しいテクノロジー活用を両立させる、重要な事例となることは間違いない。
参考URL:
- https://www.musicbusinessworldwide.com/universal-music-group-and-tiktok-strike-new-multi-year-licensing-deal-with-expanded-ai-protections-for-artists-and-songwriters/





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