AFMがUMGとWMGを提訴。AI学習の報酬ルール変わる
米国のミュージシャン組合であるAFMが、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)とワーナー・ミュージック・グループ(WMG)を提訴した。AI音楽企業への無許可ライセンスと、それに対するミュージシャンへの無補償が問題だ。
この訴訟は、AI時代における音楽クリエイターの権利と報酬に大きな影響を与える。日本のクリエイターも、今後の動向を注視すべきである。
AFMが大手レーベルを提訴
米国ミュージシャン組合(American Federation of Musicians, AFM)は、UMGとWMGをニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提訴した。両社がAI音楽企業のSunoとUdioに対し、組合員の録音物を無断でライセンス供与し、対価もクレジットも支払わなかったと主張している。訴訟は6月5日(金)に提出された。
この訴訟の核は、AFMと大手レーベルとの団体交渉協約にある「新規使用」条項の解釈である。AFMは、組合員の録音物が新たな商業利用に供される場合、レーベルが補償を支払う義務があると考えている。UMGとWMGは、AI企業とのライセンス契約や和解で収益を得たが、どの作品が使用されたかの情報開示を拒否した。
AFMは、レーベルが自身の利益を保護しながら、AI学習に利用されたセッションミュージシャンに報酬を支払っていないと非難している。UMGとWMGは2025年末にSunoやUdioとの著作権訴訟で和解し、新たなAIモデルのためにカタログをライセンス供与する合意を結んでいた。この和解が「新規使用」に該当するかどうかが問われている。
なぜこの訴訟が重要なのか
この訴訟は、音楽業界におけるAIの利用と、それに伴う著作権・著作隣接権の問題を浮き彫りにした。これまで大手レーベルは、AI企業による著作権侵害を理由に提訴する立場であった。しかし今回の訴訟は、レーベルがAI企業との和解を通じて、自社カタログのAI学習利用を許諾し、そこから収益を得ている実態を指摘している。
AFMは、レーベルがAI企業から得た収益を、録音に参加したミュージシャンと共有していない点を問題視している。彼らの主張は、AIモデルが「新しい」音源を生成するために、ミュージシャンの演奏が「新規使用」されているというものだ。これは、AI技術の発展が既存の契約や権利構造に与える影響の典型的な事例である。
セッションミュージシャンは、楽曲制作の重要な担い手である。彼らのパフォーマンスがAIの学習データとして使われ、新たな収益源となる場合、その対価を求めるのは自然な流れだ。この訴訟は、AI時代の音楽制作におけるクリエイターへの公正な報酬とクレジットの必要性を改めて提示する。
日本のクリエイターへの示唆
今回の訴訟は、日本の音楽クリエイターにとっても他人事ではない。AI技術は日々進化しており、生成AIによる音楽制作は今後も加速する。自分の作品や演奏がAI学習に利用される可能性は常に存在している。
日本のクリエイターが学ぶべき示唆は多い。
- 契約内容の確認: 自身の楽曲や演奏がどのように利用されるか、契約書の内容を慎重に確認するべきだ。特に「新規使用」や「将来の技術」に関する条項には注意が必要である。
- 著作隣接権の理解: 演奏家としての著作隣接権について深く理解し、その保護を主張する姿勢が求められる。
- 団体交渉の可能性: 組合などの団体に加入し、集合的な力で権利保護を求めることも選択肢の一つである。
AIは新たな創作の機会をもたらすが、同時に既存の権利構造を揺るがす。日本のクリエイターは、技術の進展に対応できる知識と、自らの権利を守るための行動力が求められている。これは、AIと共存しながら音楽で食っていくための、避けては通れない道だ。
参考URL:
- https://www.musicbusinessworldwide.com/musicians-union-sues-umg-and-warner-music-alleging-member-recordings-were-licensed-to-suno-and-udio-without-compensation-or-credit
- https://vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/AUZIYQGzeckel8tDd0qxb0w8dvrswoB2oN6thU6uTywRFa5LHyBjUHgQxhUaddfRV32AhuiS6JYqQ2jl-uhPsmf_iL8cawHWKYID-PvIYkAJDgZ6nm2OrM_Z




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