NMPA、UdioとKlayとのAIライセンス契約を発表し出版社向けAI利用の基準を提示

音楽出版社にとってAIとの向き合い方は長年の課題だった。AIプラットフォームによる無許可学習は著作権侵害として問題視されてきたのである。しかし今回、米国最大の音楽出版社団体であるNMPAが、AI音楽プラットフォームのUdioと画期的なライセンス契約を締結した。これはAI音楽業界に新たな基準をもたらす。

目次

NMPAがUdioとKLAYと業界初の包括契約

米国全国音楽出版社協会(NMPA)は、AI音楽プラットフォームのUdioと業界初の包括的AIライセンス契約を締結した。NMPAのデビッド・イスラエライト会長兼CEOは、これを年次総会で発表したのである。この契約は、AI学習において「楽曲(composition)」と「原盤(sound recording)」を同等に評価する初の試みだ。

NMPAは、もう一つのAI音楽プラットフォームであるKLAYとも原則合意に至った。KLAYはプラットフォームのローンチ前にライセンスを確保した稀有な存在である。イスラエライト会長は、多くの企業が「許可を求めるより先に謝罪する」中で、KLAYの姿勢を高く評価した。

著作権侵害からの転換と「許可」の価値

Udioはかつて、RIAA(米国レコード協会)から著作権侵害で提訴されていた経緯を持つ。しかし、Universal Music Group、Warner Music Group、独立系ライセンス団体Merlin、音楽出版社Kobaltと次々と和解し、ライセンスモデルへと転換した。これは、無許可利用からビジネスパートナーとしての共存への大きなシフトである。

NMPAは、今回のような「優良なAIパートナー」とのライセンス契約と、著作権を侵害する「悪質なAI事業者」への訴訟を並行して進める方針を明確にした。イスラエライト会長は、「このアプローチを取らない企業には、訴訟が待っている」と警告している。音楽業界がAIとの共存の道を探る中で、「許可を得てから」ビジネスを始める重要性が改めて示されたのである。

日本のクリエイターがAI時代を「稼げる」ヒント

NMPAとUdioの契約は、日本のクリエイターや音楽業界関係者にとっても大きな示唆を与える。まず「許可を得てからビジネスを始める」というAIモデルが、これからの業界標準になることは間違いない。無許可利用を前提としたAIプラットフォームは、今後厳しく淘汰されていくだろう。

また、AI学習において楽曲(著作権)と原盤(著作隣接権)が同等に評価された点は重要だ。これはソングライターや音楽出版社が、AIを通じた新たな収益源を構築できる可能性を示している。日本のクリエイターは、自身の著作権を適切に管理し、ライセンスを尊重するAIプラットフォームを積極的に活用すべきである。権利団体との連携を強化することも、今後のAI時代を「稼げる」ために不可欠な視点となる。


参考URL:

  • https://www.musicbusinessworldwide.com/music-publishers-strike-ai-licensing-deals-with-udio-and-klay-as-nmpa-reveals-landmark-industry-wide-pacts

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